深い、踊り

自分が踊っているのを見て
絶望して
どこかでホッとして

主に技術的に
改善していく所は多々あるのだけど

「深み」
が足りないなあ

と、思いまして

そういう雰囲気とか動作って、
きっと普段の動きから滲みでるもの。

いろんな経験をして、
泣いて笑って悩んで

そういう積み重ねが


と出てくるんだろうなあ

とか考えてたら
疑問がひとつ。

「バレエダンサーたちって
そんなに色んな経験してるの?」

私が知る限りでは、
そこまで色んな所に向かっていく人を
見たことがない。

毎日朝から晩まで踊って、踊って
外国だと、学校に閉じ込められて

むしろそういう制約があるから
少し外に出るだけでぶわっと
美しさや、色気や深みが
溢れだしたりするのかな

たくさんの経験をさせてもらえないのに
「深み」を求められるのであれば

矛盾に満ち満ちているなあ

と思ったのでした。

手段と目的のすり替え

踊ることは目的じゃなくて、
手段なんだな。

と、最近切に感じる。

たとえば、
好きなひとに
好きって気持ちを伝えたくなったときとか、

言葉に出来ないモヤモヤを
どうしても外に出したいときとか、

そういう時に、
伝えたり、出したりするために
踊る。

そう考えると、踊りって、
言葉みたいだ。

言葉も踊りも、手段。

目的になると、
自己完結しちゃったり、
自己陶酔しちゃったり、

きっと、雑念が入る。

そういう意味で
踊りは手段であるべきだし
踊り手は、媒介者であるべきだと思う。

踊りには
自分のありとあらゆるものを注ぎ込む。

なのに、踊りは常にいち手段にとどまる。

踊りって、
ものすごく残酷で、美しい。

とても、惹かれる。

失楽園

野外で踊った時、
見上げた空が美しくて

あ、もうこれでいいです。

って思って。

夜はしんとしていて
朝は、容赦なく私を現実に戻す。

それでも、見上げた空は大きくて
私は、恋をしているのだと気付いた。

だんだん崩れていく笑顔が
警戒心を弱めていく笑顔が
そんな私を否定する。

深い声は
とんがった唇は
そんな私を受け入れてくれない。

どうやったら、自分の殻に閉じ籠れるの。
どうやったら、
その笑顔から
声から
唇から
逃れられるの。

ひとりで、いたい。
そう思うのとは裏腹に
人を誘い、誘われ、
予定の調整に追われて

私は、自分が出来る、したいことも
満足にできない。

透き通った肌に水分が反射して
ずいぶん美しい光景だった。

久しぶりにきちんと見上げた

こうやって、
孤独に気づいて
切なくなって
逃げて
向き合って
受け入れて

ああ、私は1人じゃないけど
1人なんだなあ

と感じることが
どれほど貴重で
「美しい」のか

胸が締まる
きゅうっと

人知れず
でも、
わたしがしってる。

いとおしい。
脳みそも身体も髪の毛もぜんぶ使って
感じている

ぐさっ

「動機はいつも世間体のためなのよね」

「あーでもそういう世間体の模範みたいの 誰にも攻撃されないもん」

「あれでも…「自分」は蔑ろにしたままになっちゃうね」

「本音を守るための建て前
建て前が作ってるのが世間体
世間体は社会的に大事だけど
世間体の奴隷になっちゃダメよ」

イン アンド アウト

「"読む力"なくして
表現力は高まらず

読む力なくして、
聞いたり
話したり
書いたりする力が高まることは
ありません。」 

踊ることも一緒かもしれない。
と、突然気づいた。

だって、語学も一緒だ。
インプットして、アウトプット。

この順番は基本中の基本というか
世界の条理というか、
とにかく、常識として鎮座してる。

芸術も一緒かもしれない。
たしかに天賦の才は考慮されますが。

出会った人々を思い返すと
総じて
楽しそうなインプットをたくさんしてる人は
思い付かないようなアウトプットをしてる。

私も、たくさんインプットしよーっと。
せっかく恵まれた環境にいるのだもの。

相手を理解しようとすること


後輩がバレエ公演のために振り付けた作品が
とっても素敵で

どういう気持ちから
こういう作品になるのかなあ

と考えています

やはり気持ちを理解しつつ
なりきらないと
踊りづらいので、

踊り手はこういったことを考えながら
試しながら、自分に落とし込みながら
作品に近づく努力をしている人が
多いように感じます。

かくいう私も考えるタイプ。

ひとつ、見えてきたのは
わたしと後輩の間にある
恋愛観の違い

失恋系の曲ってのが大きな要因ですね。

私が後輩の作品を
よーく理解して踊るためには
たぶん今までと正反対の恋愛を
して、傷つく必要があって、

まーそんなこととてもじゃないけど
できない。

でも、少しやってみたい気持ちにもなる

自分の枠を飛び出て
社会的にはオーケーだろうレベルで
生きてみる。

最近少しずつ挑戦しています。