失楽園

野外で踊った時、
見上げた空が美しくて

あ、もうこれでいいです。

って思って。

夜はしんとしていて
朝は、容赦なく私を現実に戻す。

それでも、見上げた空は大きくて
私は、恋をしているのだと気付いた。

だんだん崩れていく笑顔が
警戒心を弱めていく笑顔が
そんな私を否定する。

深い声は
とんがった唇は
そんな私を受け入れてくれない。

どうやったら、自分の殻に閉じ籠れるの。
どうやったら、
その笑顔から
声から
唇から
逃れられるの。

ひとりで、いたい。
そう思うのとは裏腹に
人を誘い、誘われ、
予定の調整に追われて

私は、自分が出来る、したいことも
満足にできない。

透き通った肌に水分が反射して
ずいぶん美しい光景だった。